リスティング広告を運用するうえで、定期的な作業になるのが除外キーワード設定となります。
リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれるように、ユーザーの検索キーワードをもとに広告表示をさせます。
検索ユーザーの検索意図と、広告主側の想定するユーザー像がずれていると無駄なクリックを発生させてしまいます。
もちろん広告主側は、成果に繋がるであろうキーワードを選定しているのですが、検索ユーザーのすべての検索意図に対応することは不可能になります。
初期設定の時点で、想定できるものもありますが、運用後の取得したデータをもとに、成果に繋がりにくい検索語句については除外設定を行っていきます。
除外設定をすることで、クリックの質をあげていくことで、広告アカウントのパフォーマンスも向上していくので必ず設定を行いましょう。
キーワードと検索語句(クエリ)の違い
広告主側は、取り扱う商品やサービスにおいて検索して欲しいキーワードを設定します。
しかし、そのキーワードには購入やサービスの利用には繋がりにくい意味が含まれることもあります。
例えば、リスティング広告の運用代行をサービスにしている弊社にとってメインキーワードは「リスティング広告」になります。
ただし、「リスティング広告」というキーワードには、代行業者を探している方もいれば、運用方法を検索しているだけの方もいます。
このとき、弊社にとって欲しい検索語句は、
「リスティング広告 代行」や「リスティング広告 会社」などです。
逆に、弊社にとって不要な検索語句は、
「リスティング広告 やり方」や「リスティング広告 デメリット」
このような検索には、広告表示をさせても効果がなさそうだなと判断したとします。
この場合、検索語句の除外設定として、「やり方」「デメリット」を登録していきます。
また、入稿キーワードのマッチタイプで部分一致などで設定をしていると、「リスティング広告」とキーワード設定していても、「チラシ広告」などの検索語句にも広告が表示されてしまうことがあります。
その広告をユーザーにクリックさせてもとても成果に繋がるとは思えませんよね。
つまり、広告主側の考えるキーワードには、検索ユーザー側の意図からずれていたり、全く違う検索語句でも反応してしまうことがあるということです。
ユーザーの検索語句(クエリ)の確認方法
運用後、データが溜まっていけば、Google広告でもYahoo!広告でも検索語句を調べることができます。
Google広告であれば、確認したいキャンペーンや広告グループを選択し、キーワード>検索語句とクリックします。
Yahoo!広告の場合も同様に、キャンペーンや広告グループを選択し、キーワード>検索クエリを表示とクリックをします。
どちらも選択した、キャンペーンや広告グループ内のすべての検索語句を調べることもできますし、対象のキーワード1つ単位で検索語句を調べることもできます。
どんな検索語句を除外設定するか
検索語句を確認できたら、まずは確認していくことがあります。
- クリック数の多い検索語句の成果はどうか
- 明らかに成果につながらない検索語句でクリックされていないか
キーワードのマッチタイプを完全一致にしていない限り、広告主側が意図しないクリックは発生してしまいます。
検索語句をみれば、ユーザー側がどんなキーワードを入力して検索をかけているかわかるので、成果の検索語句と、無駄にクリック数だけが多い語句がわかってきます。
成果の良い検索語句は、マッチタイプを完全一致でキーワードを追加して、キーワードの入札単価をあげるのもよいでしょう。
クリック数の多い検索語句の成果はどうか
難しいのが、クリック数がそこそこあるし、成果もそこそこある場合です。
この場合は、その検索語句の成果にかかる単価(CPA)を計算して判断をします。
もし、目標のCPAが10,000のところ、ある検索語句の成果は20,000円だとすれば、費用対効果が悪いですよね。
費用対効果が悪い検索語句は除外して、費用対効果の高い検索語句の入札を強化した方が結果的に、全体の成果が伸びるので、そこそこの成果のある検索語句の判断は冷静に行いましょう。
明らかに成果につながらない検索語句でクリックされていないか
どうしても、広告主の意図に反した検索語句でのクリックは発生をします。
特に部分一致のマッチタイプを多く使われている場合には無駄なクリックは多発します。
明らかに、広告主側のビジネスに沿っていない検索語句を見つけた場合は徹底的に除外していってください。
部分一致を多用している場合は、どんなに考えても次から次に検索語句は増えていくので、ある程度データが溜まったら、マッチタイプの変更も考えていくと良いでしょう。
【注意点】除外するキーワードのマッチタイプ
除外設定を行う際も、検索語句を除外キーワードとして登録を行っていきますが、こちらにもマッチタイプが存在します。
ただし、通常のキーワード入稿時のマッチタイプとは考え方が異なるので注意が必要です。
除外キーワード設定に使用できるマッチタイプは以下の通りです。
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
気をつけなければならないのが、類似語句の拡張がないことです。
除外キーワードのマッチタイプ-完全一致
完全一致の除外設定はわかりやすいです。
除外キーワード設定 | リスティング広告 代行 |
×表示されない検索語句(クエリ) | リスティング広告 代行 |
○表示される検索語句(クエリ) | リスティング広告 代行 東京 |
完全一致はそのまま、全く同じ語句、表記、順番のときに除外されます。
しかし、リスティングが「りすてぃんぐ」の場合は、表示されてしまいます。
ここが、入稿キーワードのマッチタイプと違うところです。
除外キーワードのマッチタイプ-フレーズ一致
フレーズ一致の除外設定も類似語句の拡張がないことを除けば、概ね入稿キーワードのマッチタイプと同じです。
除外キーワードのマッチタイプ-部分一致
部分一致は注意が必要です。
感覚としては、絞り込み部分一致の考え方になります。
除外キーワード設定 | リスティング広告 代行 |
×表示されない検索語句(クエリ) | リスティング広告 運用 代行 |
○表示される検索語句(クエリ) | SNS広告 代行 |
入稿キーワードが「リスティング広告」の部分一致であれば、「SNS広告」などに反応しますが、除外設定時の部分一致では拡張されません。
除外キーワード設定時のマッチタイプの考え方は、入稿時のキーワードへのマッチタイプの設定と違います。
除外設定の部分一致で表示されないだろうと思っても、拡張されず広告表示され続けてしまうこともあります。
しっかりと除外設定をするのであれば、一語一語類似のパターンや関連する語句を登録する必要があります。
また、除外設定がキチンとされているかは、広告診断ツールなどで調べることもできますので、気になる場合は必ず確認をしましょう。
【まとめ】リスティング広告の除外キーワードの選び方
検索語句の除外設定は、日々の運用の中で非常に重要な作業です。
限られた予算で効率よく広告出稿するために、しっかりと確認しましょう。
しかし、やみくもに除外設定を行ってしまうと、広告の表示回数が減ってしまったり、気がつかないうちに大切なキーワードに除外設定がかかってしまったりすることもあります。
入稿時と除外時のキーワードのマッチタイプの特徴が違うことを理解して正しい設定をしていきましょう。