前回の記事では、リスティング広告運用後の改善項目の見つけ方として、「コンバージョン数を増やす」上での方法をお伝えしました。
今回は、もう一つの大きなテーマとして、
「コンバージョン単価(CPA)を下げたい」
こちらについて解説していきたいと思います。
コンバージョン単価(CPA)を下げるための施策
略語 | 名称 | 意味 |
IMP | インプレッション | 表示回数 |
CL | クリック数 | クリックされた回数 |
CTR | クリック率 | 表示回数に対してクリックされた確率 |
CPC | クリック単価 | 1クリックに対してかかった広告費用 |
CV | コンバージョン数 | 成果ポイントの計測数 |
CVR | コンバージョン率 | クリックに対して成果をあげた確率 |
CPA | コンバージョン単価 | 1件の成果をあげるためにかかった広告費用 |
ある程度のコンバージョン数(CV)が取れていたりすると、次はCV1件に対してのコストを下げらないかを考えるものです。
コンバージョン単価の計算式は次の通りです。
CPA = CPC ÷ CVR
コンバージョン単価(CPA)というのは、低くなればなるほど優秀な数値になるため、計算式から考えられることは、
「クリック単価(CPC)を下げるか、コンバージョン率(CVR)をあげるか」
ということです。
それでは、一つずつ解説していきます。
各指標の改善策
クリック単価(CPC)を下げる
クリック単価(CPC)を下げるために一番手っ取り早いのは、入札単価を抑えることです。
個別クリック単価制やクリック上限単価設定をしている場合には、少しずつ入札単価を引き下げていくことで、クリック単価はおのずと下がっていきます。
ただし、広告表示の関連性として、広告の品質とキーワード入札単価が関わってくるため、過度に入札単価をさげてしまうことで、表示順位が下がってしまったり、広告表示自体されなくなってしまうこともあります。
仮に、上限の単価を10%引き下げれば、理論上クリック単価も10%下がるはずなので、コンバージョン数(CV)と照らし合わせながら、どのくらいまで引き下げられるかを見ていく必要があります。
また、広告の品質は、広告文の改善によってあがることもありますので、入札単価をさげても、広告文の評価が高まれば、クリック単価を下げつつも、表示順位は下がらないということもあります。
コンバージョン率(CVR)をあげる
コンバージョン率をあげるというのは、リスティング広告運用後の改善項目の見つけ方(1)でも解説しましたが、要約すれば
- ランディングページを見直す
- 無駄なクリックを減らす
ということになります。
どの指標の改善にも広告文が重要
今回2回にわたって、リスティング広告の各指標における改善施策について解説してきました。
「コンバージョン数(CV)を増やす」
「コンバージョン単価(CPA)を下げる」
これらの目標に対して、IMP・CTR・CL・CPC・CVRの各項目を改善していくことで運用改善が実現します。
しかし、運用改善には予算をあげたり、入札単価をあげたりと広告費用に関わる改善が必要なこともあります。
この辺りの決裁権があったり、上司やクライアントを説得できれば問題はないのですが、運用者として先にできることはないかということになります。
そこで改めて、各指標の改善策をみたときにわかるのが、「広告文の改善」です。
表示回数(IMP)を増やす施策にも、広告表示を入札単価に関わらず増やそうと考えれば、広告の品質をあげるために広告文の改善が必要です。
クリック率(CTR)をあげる施策にも、広告表示順位をあげることでクリック率も上がりますが、これにも入札単価か広告文の改善が挙げられます。
クリック単価(CPC)を抑える施策には、入札単価を抑えつつ広告表示を下げないようにするためにはより良い広告文が必要です。
コンバージョン率(CVR)をあげる施策にも、無駄なクリックを減らす為に広告文の改善が施策の一つとして挙げられます。
このように、リスティング広告においては、キーワードの設定や入札単価、ランディングページなど様々な設定が必要になりますが、広告文というのも非常に重要な役割を果たしています。
当然ながら、「検索ユーザー」と「ウェブサイト」をつなぐ「広告文」なので軽視することはないかと思いますが、各指標の改善において広告文の質が高いということは全体の指標を高めることにもなります。
そして、なにより運用者として考えたときに、常に施策を行い検証し続けることができることからも、広告配信後の運用改善には常に広告文の改善ということを頭にいれておいてもらうと良いでしょう。
【まとめ】
リスティング広告は、自動化やAIの機能が向上し、キーワードや入札管理にかかる時間は減ってきました。
広告文に関しても、レスポンシブ広告があり機械が自動的に広告文を出し分けてくれます。
ですが、その出し分ける広告文自体は運用者(ヒト)が作成するものです。
また広告カスタマイザの活用も自動化にマッチした手法ですが、設定するのは運用者(ヒト)です。
自動化をうまく使いこなすのも運用者なので、機械に任せるところとヒトの手を加えるところをしっかりと把握しておきましょう。
現状であれば、広告文のようなクリエイティブなところにしっかりと時間を使ってあげられるのではないでしょうか。
リスティング広告配信後は、成果(CV)の向上に向けて運用改善を行っていくわけですが、どこに手を加えていくのがいいのか、どこから修正していけばいいのかを考えて効率的に運用をしていきましょう。