ウェブ広告を利用する際、広告配信の分析をするためには、配信結果から得られる様々な数値を読み取り、理解することが求められます。
ウェブ広告の利点として、配信結果が膨大なデータとして残るため、そのデータを活かして次の取り組みを考えていくことができます。
運用代行をしていると、広告主様は成果だけを求められるというケースもありますが、成果に至る過程にも様々な要因が絡んでくることから、最低限の知識をもっておくことで、ウェブ広告に対する視点も変わってくるのではないかと思います。
今回は最初に覚えておくべきウェブ広告の指標について解説します。
指標は様々な計算式で表すこともできるため、ある指標の改善をしたいときには、何から考えればいいのかもわかります。
FFC広告代行は多数のご相談に対応!一例を挙げます。
【ご相談内容】
メイクアップ法を指導する教室の運営をしている。
リスティング広告は自社でしているけど思うように獲得が出来ていない。
LPが少し古いので、LP制作もワンセットで出来る所を探している。
今後はアウトソーシングに切り替えてSNS広告もする予定。
【現状・過去の施策】
・自社でリスティング広告を運用
・SNS広告も運用
【ゴール】
新規の獲得
認知度の拡大
ウェブ広告の指標
では、ウェブ広告において最初に覚えておくべき指標を挙げていきます。
ウェブ広告のレポートなどを作成する側(運用者)からすれば、これから挙げる指標は馴染みのあるものばかりですが、そのレポートを受け取る側(広告主や会社の上司など)がその意味を汲み取れなくては話が成り立たないこともあります。
相互で理解しあえている状態の方が、ミーティングなども捗りますのでしっかり覚えておきましょう。
表示回数
表示回数は、ウェブ検索を行ったときなどに、検索画面やウェブサイト内で広告が表示された回数を表します。
レポートなどでは、表示回数=インプレッション数=IMPなどと表記されます。
表示回数は広告のクリック数とクリック率で表すことができます。
表示回数=クリック数 / クリック率
広告をクリックしてもらうためには、まずは広告が表示されていることが重要です。
広告をみてもらいたいターゲットに対してキチンと広告表示されているかを確認する指標となります。
クリック数
クリック数は、広告表示されたテキストや画像、動画が何回クリックされたかを表します。
レポートでは、クリック数=CT(Click Through)=CTsなどと表記されます。
クリック数も他の指標で表すことができます。
①クリック数=表示回数 × クリック率
②クリック数=費用 / 平均クリック単価
2通りの計算式がありますが、前者は広告の表示位置や広告の内容により評価をすることができ、後者は広告予算や1クリックあたりにかかるクリック単価の良し悪しを評価する際に使用します。
クリック率
クリック率は、表示された広告がクリックされた割合を表します。
レポートでは、クリック率=CTR(Click Through Rate)などと表記されます。
クリック率も他の指標で表すことができます。
クリック率=クリック数 / 表示回数
クリック率は、言い換えればいかに効率よくクリック数を増やせたかということになりますので、広告の表示される場所や広告の訴求内容に影響を受けると考えられます。
クリック単価
クリック単価は、1クリックあたりにかかる費用を表します。
レポートでは、(平均)クリック単価=CPC(Cost Per Click)
実際のところ、1クリック毎の費用はバラバラになりますが、その平均費用を表すことが多く、平均クリック単価と呼ぶこともあります。
①平均クリック単価=費用 / クリック数
②平均クリック単価=コンバージョン単価 × コンバージョン率
平均クリック単価については、主に2つの計算式で表されます。
平均クリック単価の改善を行う際は、上記の計算式から、どの指標に変化を加える対策をすれば良いかを考えていきます。
コンバージョン
コンバージョンは、直訳すると「転換」を意味しますが、ウェブマーケティングにおいては、最終的な目的を達成することを表します。
サイト訪問者が行動に移した=「転換」した、というニュアンスと考えます。
レポートでは、コンバージョン=コンバージョン数=CV(Conversion)などと表されます。
①コンバージョン=クリック数 × コンバージョン率
②コンバージョン=費用 / コンバージョン単価
コンバージョンは、広告主様であれば一番気になるところとなり、話題にあがりやすい内容です。
計算式を理解することで、コンバージョンを獲得するには何が必要かを分解して考えることができます。
コンバージョン率
コンバージョン率は、広告のクリック数に対してどのくらいのコンバージョンがあったかの割合を表します。
レポートでは、コンバージョン率=CVR(Conversion Rate)などと表します。
コンバージョン率は他の指標で表すことができます。
コンバージョン率=コンバージョン / クリック数
コンバージョン率は、広告の良し悪しよりも広告をクリックされた後に遷移する、ウェブサイトの良し悪しの評価に関係します。
例として、10人ずつの広告クリックに対して、サイトAでは5人がコンバージョン、サイトBでは3人がコンバージョンの場合、サイトAのコンバージョン率が50%、サイトBは30%となり、サイトAの方が効率よくコンバージョンを獲得できているという評価になります。
コンバージョン単価
コンバージョン単価は、一つのコンバージョンに対してかかる平均コンバージョン獲得単価を表します。
レポートでは、コンバージョン単価=CPA(Cost Per Action)などと表されます。
1つのコンバージョンに対しての単価と全体のコンバージョンに対しての平均単価なのかの判別は必要となります。(基本的には後者)
①コンバージョン単価=費用 / コンバージョン
②コンバージョン単価=クリック単価 / コンバージョン率
コンバージョン単価も、ウェブ広告をするうえで目標を設定することが多い指標となりますので、計算式から何がコンバージョン単価を構成しているか理解をし、改善の際は何を対策していくかを考えていきます。
費用
費用は、言葉の通りウェブ広告にかける金額を表します。
レポートでは、費用=Costなどと表されます。
①費用=クリック数 × クリック単価
②費用=コンバージョン数 × コンバージョン単価
費用の計算式は、広告予算を考えるうえで用いられることが多々あります。
広告の目標がコンバージョン目的であれば、1件いくらで何件獲得したいかで広告予算を計算することができます。
まとめ
広告を評価するための指標として基本となるものを挙げてきました。
各指標がどんな計算式で成り立っているかを把握することで、指標の改善に何が必要かを判断することができます。
上記の中で、運用者として上司や広告主様と話す際に一番伝わりやすいと感じる計算式は、
コンバージョン=クリック数 × コンバージョン率
これではないかと思います。
上司や広告主様にとって、広告をするうえで成果(コンバージョン)がどうなのかということは、一番の興味がある部分です。
そのうえで、コンバージョンを成り立たせるものは、クリック数とコンバージョン率ということがわかります。
クリック数というのは、広告をどのように表示させるかの工夫が必要ですし、コンバージョン率は、広告クリック後のウェブサイトの良し悪しに左右されます。
クリック数を高めるためにはどうするべきか、コンバージョン率を高めるためにはどうするべきかの施策を繰り返し行い改善していくことがコンバージョン数が増えるという結果に繋がっていきます。
ではクリック数を増やすためには…という具合でひとつひとつ指標をみていくことで、広告運用の評価をしていくことができるので、まずは、今回挙げた指標の意味や計算式を覚えておいてください。