害虫駆除(S社)のご相談内容
今回は、害虫駆除のリスティング広告の運用事例をご紹介します。
データ公開に協力して頂いたのは、関西で害虫駆除の会社を運営しているS社様です。(以後、S社)
弊社にご相談があるまでは、BtoBマッチングサイトでリードを獲得するスタイルで案件を取得しておりました。
ビジネス系BtoBマッチングサイトは、仕事の案件を取るには効率が良いメリットがありますが、最終的に矛盾するデメリットもあります。
BtoBマッチングサイトの運営会社からすると、登録してくれる会社が多いほど月額費やリード料金がもらえます。
当然ですが、登録する業者も案件が欲しいのでアクセスのマッチングサイトに登録します。
登録業者が多ければ、案件の取り合いになり、最終的に案件が取れない事も出てきます
これが、BtoBマッチングサイトのデメリットになります。
つまりサイトが大きくなりすぎると、飽和して具合が悪くなるのです。
BtoBマッチングサイトの運営会社の料金形態はいろいろで、月額費+リード費用や、月額費は無しでリード費用だけの所もあります。
個人的なイメージは、案件が少ない所はリード費用のみでやっている所が多い気がします。
話は戻りますが、S社は「思うように案件が取れない」状態が続き、それなら自社で広告を出した方が良いのではないか?となって弊社にご相談がありました。
FFC(弊社)が実施した提案・施策内容
S社は最初からリスティング広告で行くのを聞いており、LPも既にありました。
LPは2年前に作ったらしく、広告を打つとすぐに注文の取れそうなキレイなLPでした。
LPで一番大事なのはファーストビューですが、問題もありませんでした。
しかも、害虫駆除は緊急性のあるキーワードなので、リスティング広告に向いているサービスになります。
リスティングに向いている商品
・緊急性がある
・商品単価が高い
早速、リスティング広告で動きます。
広告運用方針
害虫駆除のような緊急を要する業種とリスティング広告の相性は良いとされますが、その分競合も多いことが現状です。
さらに、検索された時に「自社の広告が検索結果の上部に広告表示がされていない」と、急ぎの方には気づいてもらえない可能性もあります。
これらの点から、広告1クリックにおける費用も高くなります。
結果的に、極力無駄なクリックを抑えて効率的な広告配信をしていかなければアッという間に予算を消費してしまう可能性があります。
S社との最初の打ち合わせでは、S社のサービス内容をしっかりと確認しました。
広告表示させるメインキーワードとしては「害虫駆除」となりますが、害虫が特定できている場合は、「ハチ 駆除」や「トコジラミ 駆除」など具体的なフレーズで検索されることも想定し、S社が対応可能な駆除サービスを洗い出しました。
「○○駆除」という検索には、駆除業者を探している方、自分で何とかしようとする方などの検索意図が混在するため、「○○駆除」+「費用」「見積」「即日」「エリア」などが続くような場合は駆除業者を探している可能性が高く、広告表示させたいワードとなります。
一方で、「自分で」「スプレー」「アマゾン」といった駆除業者を探していないワードも洗い出し、広告表示させない除外設定に登録していきます。
キーワード | 月間検索ボリューム | 推定クリック単価 |
害虫駆除 + 費用 | 1,000 | 380円 |
害虫駆除 + 業者 | 4,400 | 550円 |
害虫駆除 + エリア | 720 | 460円 |
上表は登録したキーワードの一部ですが、実際には駆除可能な害虫名なども上記パターンで追加しています。
キーワード毎で想定されるクリック単価がことなりますが、全体で平均したクリック単価は500円前後になると仮定しました。
広告予算については、想定されるクリック単価500円で1,000クリック/月を目安に50万円でスタートします。
駆除内容によって売上はかわるとのことですが、1件の作業売上を5万円と仮定すると、最低でも10件以上の駆除作業の獲得(受注)がないといけない計算となります。
広告では、電話・メールでの問い合わせ数までは計測できますが、受注できたかまではわからないため、受注件数の倍となる20件の問い合わせ数を目標としました。(問い合わせ獲得単価25,000円)
広告運用の結果
広告費 | クリック数 | 平均クリック単価 | お問合せ数(率) | 獲得単価 | |
1か月目 |
489,565円 | 942回 | 520円 | 18件 (1.9%) |
27,198円 |
2か月目 |
512,344円 | 1,047回 | 490円 | 24件 (2.3%) |
21,348円 |
3か月目 |
805,140円 | 1,677回 | 480円 | 36件 (2.2%) |
22,365円 |
上表は広告運用開始から3か月間の結果です。
初月こそ、目標とする獲得単価を達成することはできませんでしたが、2か月目からは目標達成することができています。
2か月目の結果を受けて、3か月目は予算を増やしていただきましたが、大きな数値の悪化はなくお問合せの獲得ができました。
配信直後は蓄積されたデータをもとに、追加するキーワードがないか、逆に不要な検索語句でクリックをされていないかを確認し、修正を繰り返しました。
事前に想定できていなかった不要な検索語句が多く2週間くらいは連日で除外ワードの追加を行いました。
同時に、広告文の訴求なども1週間おきに変更し、反応の良い広告文に絞り込みました。
平均クリック単価は想定に近い数値ではありましたが、徐々に引き下げていくことができ、その分クリック数を増やすことができています。
S社には実際の受注数と売上を確認してもらい、初月こそあまり利益はなかったそうですが、2か月目以降からは、利益の確保ができる状態になったとのことでした。
運用者の所感
害虫駆除のリスティング広告は、1クリックの単価が高くなりがちなジャンルになります。
その分、広告表示させるべき検索ユーザーをしっかりと絞り込み極力無駄の少ない配信を心掛けました。
また、広告クリック後のLPの訴求がわかりにくかったりすると、せっかくLPに訪問したユーザーはすぐに離脱して他を探してしまいますので、LP側の内容も非常に重要になると感じました(フォーストビューが大事です)。
キーワード-広告文-LPの整合性がキチンととれているかを保ちつつ、広告配信エリアの設定や、時間帯での入札の強弱、デバイスでの配信の強弱など運用後に確認できるデータをこまめに確認し効率の良い広告配信ができるように取り組みました。