GoogleやYahoo!検索をしていると、自分の入力したキーワードにやたらとマッチした広告文が表示されたりすることはないでしょうか?
実は、Google広告やYahoo!広告では、検索ユーザーが入力したキーワードに連動した広告文を表示させることが可能です。
それが、「広告カスタマイザ」という機能です。
例えば、「神戸 美容室」と検索したとしたら、「神戸で人気の美容室なら」といった広告文を表示されるとします。
これが、「三宮 美容室」と検索したとしても、「三宮で人気の美容室なら」と表示が変化してくれたら検索ユーザーにマッチした広告文になります。
たくさんの広告文を作成していればこのようなことも可能ですが、「広告カスタマイザ」を使用すれば、一つの広告文で広告表示を変化させることができます。
そこで、今回はこの「広告カスタマイザ」の機能について解説していきたいと思います。
広告カスタマイザとは
広告カスタマイザとは、検索ユーザーの検索語句などに反応して広告文を変更する機能です。
事前に変更規則を登録しておくことで広告文を変更してくれるので、クリック率が高まることが期待できるということです。
設定は簡単といえば簡単ですが、少々手間はかかりますし、メリットデメリットを把握しておく必要があります。
広告カスタマイザのメリット
- 広告の関連性があがる
- クリック率が向上する
広告カスタマイザのデメリット
- 設定に手間がかかる
- リンク先のURLは変えられない
現状、リスティング広告のアカウント構成はhagakureといったシンプルなアカウント構造が推奨されています。
これは、広告グループなどをあまり細分化させずに一つの広告グループに多くのインプレッションを集めることで、機械学習を促進させましょうということです。
ですが、その弊害として、細かな広告文の出し分けが難しくなったということも事実です。
それを解消するのがこの広告カスタマイザです。
広告カスタマイザを活用することで、同じ広告グループ内でも、キーワード単位で広告文の変化をつけることが可能なので是非活用したいところですね。
特に、複数店舗の経営をされている企業様などは、広告文は同じでも地域名が動的に変化するだけでもクリック率改善の効果が高いのでおすすめです。
広告カスタマイザで出来ること
広告カスタマイザは、キーワード、時間帯、地域、日付などによって広告文を動的に変更することができます。
キーワード
例えば、大阪、京都、兵庫で害獣駆除をしている業者がいたとします。
検索ユーザーが「大阪 害獣駆除」「京都 害獣駆除」「兵庫 害獣駆除」というキーワード検索をかけたときに、広告主側が
「{=検索語句フィード名.検索語句}の害獣駆除業者なら」
と広告見出しをひとつだけ設定したとします。
- 検索語句フィード名…任意で名前をつけられます
- 検索語句…この場合「大阪 害獣駆除」「京都 害獣駆除」「兵庫 害獣駆除」をキーワード設定しておきます
事前にフィードを用意しておくことで、広告見出しが一つに対して、
「大阪の害獣駆除業者なら」
「京都の害獣駆除業者なら」
「兵庫の害獣駆除業者なら」
このように動的に変化させることが可能です。
地域
上記と似たような設定になりますが、検索ユーザーが検索をかけている地域に合わせて動的に広告文を変更させることも可能です。
例としては、東京、埼玉、千葉に対応したリフォーム業者があったとします。
キーワードの登録は、「リフォーム」とします。
ここで事前の設定で、検索場所をエリアフィードで登録を、
「{=エリアフィード名.地域名}のリフォーム業社なら」
のひとつだけを登録します。
- エリアフィード名…任意で名前をつけられます
- 地域名…大阪で検索されていれば「大阪」などと設定します。(市区町村の単位まで設定可能)
これで、対象エリアから「リフォーム」という検索があれば、
「東京のリフォーム業者なら」
「埼玉のリフォーム業者なら」
「千葉のリフォーム業者なら」
このような動的変化をさせることができます。
日付やデバイスの変更などもできる
イベントごとがあったときなどに、広告文に「残り何日」などのカウントダウンを入れることも可能です。
また、関数を利用すれば、デバイスやオーディエンスの変更をすることもできますが、かなり難易度は高い設定になります。
広告カスタマイザの設定方法
広告カスタマイザは、データフィードを作って管理画面にアップロードする必要があります。
Google広告もYahoo!広告も同様の手順になりますが、ここではGoogle広告について説明していきます。
カスタマイザデータのテンプレートのダウンロード
管理画面>ツール>ビジネスデータ>「+」ボタン>広告カスタマイザデータ
ここまで進んだら「広告カスタマイザのデータテンプレート」のダウンロードが可能です。
ここからはExelでの作業になります。
テンプレートから必要な項目をピックアップ
テンプレートは英語表記で様々なものがありますが、必要なものを残し、不要なものは削除して構いません。
テンプレートの2行目以降は使わないので削除します。
足りない属性は、1行目に足していきます。
よく使う属性は、下記の通りです。
属性 | 有効な値 |
Target keyword | キーワードとマッチタイプ |
Target keyword text | マッチタイプ不要のキーワード |
Target keyword match type | broad /phrase / exact |
Target ad group | 広告グループ名 |
Target campaign | キャンペーン名 |
Target location | 設定されている地名 |
Target location restriction | 挿入したい地名 |
text | 挿入したい文言 |
broad…部分一致(絞り込み部分一致も同じ)
phrase…フレーズ一致
exact…完全一致
データフィードの作成
必要な属性を準備ができたら、後はどんどん必要な項目を埋めていきます。
どのキーワード(Target keyword)にどの文言(text)を反応させるかなどを設定しています。
データフィードのアップロード
データフィードの準備ができたら、管理画面にアップロードします。
この際、フィード名を任意で設定しますが、後ほど使用するためわかりやすいフィード名をつけて控えておきましょう。
ファイルを選択して、アップロードをしたらエラーが出ていないか確認をします。
広告文の作成
ここまできたら、あとは広告文の作成のみとなります。
広告カスタマイザが使えるのは、見出し、説明文、パスの部分になります。
設定例 {=○○.●●:△△}ならコチラ
- ○○の部分にはフィード名を入力
- ●●の部分には上記表でいえば、textのような動的に変化させたい属性を入力
- △△の部分には、動的変化が起こらなかった場合のデフォルト値を入力
上記の例だと、{=○○.●●:△△}の○○の部分に「市区町村挿入」というフィード名を私がつくり、属性の「Location」を使って兵庫県内の市区町村を動的に変更するように設定しています。
画面右側のプレビューには「佐用町」と反応があることが分かるかと思います。
これによって、兵庫県内の検索場所によって、佐用町が「神戸市」や「西宮市」、「明石市」などに変化していきます。
【まとめ】広告カスタマイザの活用で検索ユーザーにマッチした広告文を
ここで解説をした内容は、広告カスタマイザの機能のほんの一部に過ぎません。
実際に登録をしてみても、エラーが出たり思ったような設定ができないこともあります。
広告カスタマイザの活用は、事前の設計が大事なことと、データフィードを使いこなせないといけないためなかなか手が回らないかもしれません。
ですがhagakureの推奨により、シンプルなアカウント構造を実現させるためには、広告カスタマイザの活用は必須になりますので、是非一度試してみてください。